2022.01.05

【塾長コラム】成績・評価の基準とは?

これを読んでいただいている保護者のみなさんは、お子さんが学校の試験で何点ぐらいとってくれたら『及第点』をあげられますか?塾の教室でよく耳にするのは「平均点ぐらいは・・・」とか「平均点以上を目指して」など『平均点」を基準にされることが多いです。その場合は、まだセーフかなと思います。「80点以上」や「前回の試験の点数以上」などの『点数』を基準にされている方は要注意です。

これまでの感覚だと、「90点以上をとれたら、成績表の5段階評価では5がつく」という考えが一般的でした。しかし、下のグラフを見てください。これは、福山市のある中学校の1年生2学期期末試験の得点分布のグラフになります。これまでの感覚とは2教科(英語と社会)のグラフを掲載しています。

【英語のグラフ】
見ての通りではありますが、大半の生徒が80点以上の点数をとれています。なので、点数基準で及第点をあげているご家庭では、上々の評価になりますが、実は平均点よりも低い可能性があります。130~140名の学年で、半数近くが90点以上とれる試験だとは思わないですよね。驚きです。

 

【社会のグラフ】
平均点をとれる生徒がグラフの谷の部分になっているという、最近増えてきているグラフの形です。さらに、0~10点の生徒が全体の10%以上にあたる16人もおり、この学年は0~10点をとっている生徒が一番多くいることが読み取れます。とんでもなく難しい試験かと言うと、平均点もそこそこで、70点以上をとれている生徒も少なくはないです。これは、いわゆる『学力の二極化』が起こっている状態を表している典型的なグラフです。

 

【グラフから見られる学習課題と学習の方向性】
このようなグラフになることは、良い悪いはさておき、現代的ではあると思います。一昔前は、平均点60点程度でグラフはキレイな山なりになるような試験であり、そうなるような授業の進行でした。しかし、語学は感覚的な部分を育み、社会のような教科は、暗記よりも興味関心を重視するようになりました。興味関心のある生徒は、すくすく育ち、興味関心を持てない生徒は置き去りになるようになってきています。学校の試験の体質を変えたり、成績表の評価方針を変えることが必要になってきますが、果たしてそれがうまく機能するのか。乗り越えるべき障壁は大きいです。まずは、ご家庭でのお子様の評価の基準を考えてみてください。