2021.05.10

【塾長コラム】ここがやばいよ学習指導要領改訂③

今回も引き続き「ここがヤバイよ学習指導要領改訂!その③」と題しまして、小学校の学習指導要領の改訂ならびに教科書の改訂の内容をご紹介しようと思います。

 

小学校の学習指導要領の改訂は、前年度に行われました。最も大きな改訂は、中学校の改訂と同様、英語です。これまでも小学校で英語を習う機会はありましたが、今回の改訂で「教科化」されました。

「教科化」されたことにより、文部科学省が検定をした教科書を使用して授業がおこなわれ、学期ごとの通知表等で評価されることとなります。

新学習指導要領では、「読むこと・書くことに慣れ親しみ,聞くこと・読むこと・話すこと・書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。」と指導における目標を定めています。

小学校で英語を教科化し、英語学習をこれまでよりも前倒しすることで、いわゆる『英語耳』や『英語脳』をより有効に鍛えることができます。『英語脳』とは、脳内で日本語に変換して英語を理解するのではなく、英語を英語として直接理解するような脳の働きをいいます。その『英語脳』を鍛えるには、早いうちからたくさんの英語に触れることが大切です。

 

しかし、英語を小学校のうちから学ぶことに対して、不安な要素もあります。それは、『英語耳』や『英語脳』など、無意識で処理する領域を鍛えていくため、正しいものを学ぶ必要があるということです。これまで英語を教えることがなかった小学校の先生が、正しい話法や正しい発音、正しいニュアンスを教えることができるのかという不安はぬぐい切れません。その対応として、中学校から英語の先生を派遣したり、ALTの人員を補充したりと、様々な対策がおこなわれています。

小学校で英語が教科化されて1年、これから真価が問われてくるので、期待半分、不安半分といったところです。