生徒の皆さんは、この数か月、いや一年以上かけて「どの高校を受けるか」を本気で悩み、家族や先生とも相談しながら、たくさん迷って決断してきたと思います。友だちの志望校や判定、模試の結果に心が揺れた日もあったでしょうし、「本当にここでいいのか」「自分に勝てるのか」と不安になった夜もあったはずです。そんな中で、志願先を決めて出願までやり切った時点で、もうそれだけで立派な一歩です。
そして今回、倍率が出ました。数字を見ると、どうしても気持ちがざわつきますよね。「思ったより高い」「去年より上がってる」「ここから変えたくなる」——そんな感情が出るのは自然です。ただ、もうここまで来たら、やることは一つ。本気で突っ走るしかない。倍率はあくまで“今の混雑具合”であって、あなたの伸びしろや当日の力を決めるものではありません。残りの時間で伸びる人は、毎年必ずいます。
とはいえ、「気合いで突っ走れ!」だけでは不十分なのも事実です。勝負の局面ほど、冷静な情報整理が効いてきます。倍率の変化には必ず背景があり、傾向を掴めば、学習の組み立て方や心の置き方にもプラスになります。だからこそ、ここで一度、福山市の高校に絞って、数字を落ち着いて見ておきたい——そんな意図で、この記事を書きます。
2026年2月18日、広島県教育委員会から県立高校入試の最終志願者数・志願倍率が公表されました。この記事では、福山市内の高校(県立・市立)に特化して、2026年⇔2025年の前年差と、可能な範囲で2024年からの経年推移も踏まえながら、福山市の志願動向を整理します。数字に振り回されるのではなく、数字を味方につけて、残り期間を最適化するための“材料”として活用していきましょう。

福山市の高校:倍率が高かった学科トップ5(2026年・最終)
まずは福山市内の高校について、2026年の最終志願倍率が高かった「学科」上位5つをまとめました(学科別の純粋な順位です)。
| 順位 | 学校 | 学科 | 2026最終倍率 |
|---|---|---|---|
| 1 | 福山誠之館 | 総合学科 | 1.34 |
| 2 | 福山市立福山 | 普通 | 1.27 |
| 3 | 福山葦陽 | 普通 | 1.10 |
| 4 | 神辺 | 総合学科 | 1.09 |
| 5 | 大門 | 普通 | 1.07 |
※福山市内(県立・市立)の学科別「2026年2月18日 最終志願倍率」に基づく上位5件です。
福山市の高校:倍率が「上がった」一覧(2026 → 2025)
「去年より人気が上がったのはどこ?」を一目で分かるように整理しました。上昇幅が大きい学科ほど注目が集まっている可能性があるため、まずは全体像を押さえます。福山市内の対象校・学科のうち、前年差で倍率が上昇したものです。(※最終倍率)
| 学校 | 学科 | 2025最終 | 2026最終 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 沼南 | 園芸デザイン | 0.28 | 0.53 | +0.25 |
| 福山誠之館 | 総合学科 | 1.12 | 1.34 | +0.22 |
| 福山工業 | 工業化学 | 0.38 | 0.60 | +0.22 |
| 神辺旭 | 普通 | 0.77 | 0.91 | +0.14 |
| 福山市立福山 | 普通 | 1.15 | 1.27 | +0.12 |
| 沼南 | 家政 | 0.43 | 0.53 | +0.10 |
| 福山工業 | 機械 | 0.78 | 0.86 | +0.08 |
| 神辺旭 | 体育 | 0.95 | 1.00 | +0.05 |
| 福山工業 | 電子機械 | 0.83 | 0.85 | +0.02 |
| 福山葦陽 | 普通 | 1.09 | 1.10 | +0.01 |
注目ポイント(上昇組)
- 福山誠之館(総合学科)は1.34倍まで上昇(前年1.12倍)。
- 福山市立福山(普通)も上昇基調で、2024→2025→2026で段階的に伸びています(1.05→1.15→1.27)。
福山市の高校:倍率が「下がった」一覧(2026 → 2025)
ここでは、福山市内の県立・市立高校について、2025年から2026年にかけて志願倍率が下がった学科を一覧化しました。倍率低下の背景を読むことで、今年の受験動向がより立体的に見えてきます。福山市内の対象校・学科のうち、前年差で倍率が低下したものです。(※最終倍率)
| 学校 | 学科 | 2025最終 | 2026最終 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 福山工業 | 電気 | 1.05 | 0.73 | -0.32 |
| 福山明王台 | 普通 | 1.11 | 0.84 | -0.27 |
| 福山工業 | 建築 | 0.98 | 0.83 | -0.15 |
| 戸手 | 総合学科 | 1.12 | 0.98 | -0.14 |
| 松永 | 総合学科 | 0.64 | 0.51 | -0.13 |
| 大門 | 普通【理数】 | 0.48 | 0.35 | -0.13 |
| 福山商業 | 情報ビジネス | 0.56 | 0.46 | -0.10 |
| 大門 | 普通 | 1.14 | 1.07 | -0.07 |
| 神辺 | 総合学科 | 1.14 | 1.09 | -0.05 |
注目ポイント(下降組)
- 福山明王台(普通)の落ち込みが大きい(1.11→0.84)。
- 福山工業(電気)は1.00倍超から0.73へ。工業系は学科ごとに“温度差”が出ています。
2024→2026で変化のあった高校
- 福山市立福山(普通):1.05 → 1.15 → 1.27(右肩上がり)
- 福山誠之館(総合学科):1.23 → 1.12 → 1.34(いったん落ちて反発)
- 福山明王台(普通):1.06 → 1.11 → 0.84(上がってから急落)

福山市の倍率変動の背景
1) 少子化で「倍率が上がりにくい」土台が続く
受験人口そのものが縮小する中で、人気校・人気学科への集中が起きやすく、全体として倍率が伸びにくい環境が続きます。
2) 高校授業料支援の拡大で「私立を選びやすい」家計環境へ
就学支援金や支援策の拡大により、「公立一択」ではなく「私立も含めて比較」しやすくなり、公立の倍率が上下に振れやすくなる要因になります。
3) 「学科」で志願が動く(同じ学校でも学科で別世界)
福山市では、同じ学校でも学科によって上昇・下降が分かれています。進路イメージや相性が、学校名以上に志願動向へ影響している可能性があります。
まとめ:2026年の福山市は「戻り」と「分岐」の年
- 福山誠之館(総合学科)や福山市立福山(普通)は上昇・高水準。
- 福山明王台(普通)は前年比で大きく下げ、来年以降に反発するのか注目。
- 工業・総合などは、学校内で学科ごとの人気が割れている。
高校生のみなさんへ(最後に)
倍率は気になる。でも倍率は「他人の選択の合計」であって、あなたの価値そのものではありません。必要なのは、今日の一問・今日の一周・今日の復習をやり切る積み上げです。
最後に伸びるのは、最後まで手を止めない人です。応援しています。



